3Dプリンター(3)2015年10月12日

エクストルーダーとホットエンド

エクストルーダーとホットエンドは3Dプリンターの中心になる部分です。3Dプリントの原料となるフィラメントをホットエンドに送り出す役割がエクストルーダーです。そのフィラメントをヒーターで溶かしてノズルから押し出すのがホットエンドです。押し出す圧力(量)はエクストルーダーから送られるフィラメントの圧力になります。RapRep Prusa i3オリジナルでは3Dプリントしたパーツで作成したエクストルーダーとJ-Headと呼ばれるホットエンドの組み合わせです。市販されている3DプリンターキットではMK8エクストルーダーがよく使用されています。
両者に違いはフィラメントの送りギアーとステッピングモーターとの間に変速ギアーを入れているかどうかです。MK8エクストルーダーはステッピングモーターのシャフトにフィラメントの送りギアーが取り付けられているダイレクトドライブ方式です。ステッピングモーターのトルクが要求される反面、構造がシンプルで作成が容易で小型化が可能です。MK8エクストルーダーはホットエンドと一緒にX軸のキャリアにのせることが可能です。
また、デルタ型の3Dプリンターではキャリアが宙吊り状態なので重量的にホットエンドとエクストルーダーを分離してキャリアにはホットエンドのみをのせ、フレーム上にエクストルーダーを固定する方法が取られます。Bowdenエクストルーダーです。エクストルーダーとホットエンド間はPTFEテフロンチューブで結合し、その中をフィラメントが通ります。エクストルーダーの押し出す力をしっかりとホットエンドに伝えるためにPTFEテフロンチューブ両端をしっかりと固定する必要があります。M4ナットで固定してもよいのですがハーフユニオンを使用すると脱着が可能になります。このBowdenエクストルーダーとホットエンドの組み合わせはPrusa i3でもキャリアにのせる質量が少なくなるので有効な方法です。
3Dプリントで作成したBowdenエクストルーダー

  • AirTripper's Extruder




  • 小型エクストルーダー Mini NEMA17 Extruder




  • 変わったエクストルーダー Saintflint Extruder





今回新しく購入したE3D V6タイプのホットエンドです。ホットエンドは3個のパーツとヒーター、冷却用のヒートシンクとファン、温度計測用のサーミスターで構成されています。エクストルーダーとホットエンドの一体型MK8エクストルーダーでも構成部品は同じです。
M6 x 26mmまたは30mm、内径2mmのバレルとヒートブロック、ノズルが構成部品です。ヒートブロックにノズル、ヒーターとサーミスターを取り付け、M6バレルにヒートブロックとヒートシンクを取り付けます。ヒートシンクの形状でいろいろなタイプがあります。ヒートブロックはABSフィラメント使用で230度以上に加熱します。その熱をバレルの上まで伝えてしまうとノズル詰まりを起こしてしまいますのでバレル上部の冷却は重要です。E3D V6タイプのホットエンドはバレルにヒートシンクが装着され、ファンで強制冷却すれば効率的にホットエンド上部が冷却できます。E3D V6タイプのホットエンドはバレルにヒートシンクが装着され、ファンで強制冷却すれば効率的にホットエンド上部が冷却できます。ファンは30mm角のファン程度十分に冷却できます。この辺りのパーツは国内でも入手できますが高いです。e-bayで中国から直接購入するほうが安価に入手できます。参考にリンクを張ってあります。
ホットエンドで冷却不足を起こすとホットエンド上部やエクストルーダーでフィラメントが柔らかくなり、フィラメント送りに障害が出てしまいます。

  • MK8の詳細な組み立て方です。
  • Bowden方式でよく使用するE3D V6ホットエンドの詳細な解説はGE techのサイトを参照してください。

  • Slim Bowden E3D v5 mount for Prusa i3
    マウントしているのはE3D V6 ホットエンドですがサイズは同じです。PLA樹脂よりも熱に強いABS樹脂で作成しました。30mm角DC12Vファン使用。

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