3Dプリンター(4)2015年10月25日

フィラメント

熱溶解積層法の3Dプリンターで印刷できる素材はフィラメントと呼ばれる太さ1.75mmまたは、3mmの棒状(ヒモ状)に加工したものを使用します。大別して植物由来のPLAと石油系のABSです。基本形はここまでで色は様々、クリアもありますが熱で溶かして印刷するので色がにごり綺麗なクリアには仕上がりません。また木、金属などを混ぜたフィラメントも出ています。値段も様々で1Kgあたり2000円から数万円もするフィラメントまであります。今使用している国内で最安値と思われるPLAフィラメントです。色は結構たくさんあります。フィラメントが原因のノズル詰まりはありません。
ABSフィラメントも使用しています。PLA素材からABS素材にフィラメント交換をする場合はホットエンドの温度を230度まで上げてそのまま交換すればよいのですが、反対にABS素材からPLA素材にフィラメントを交換する場合は注意が必要です。ホットエンドの温度は230度のままフィラメントを交換し、ホットエンドからABS素材が十分排出されてからホットエンドの温度を180度に下げます。ABS素材は180度では固まってしまいノズル詰まりを起こしてしまいます。
最初に使用するのはPLAフィラメントをおすすめします。ホットエンドの温度が低く、ヒートベッドなしても印刷できます。ABS素材をうまく印刷するにはヒートベッドでベッドの温度を100度以上に保つ必要があります。そうしないとベッドから印刷物が剥がれたり、反ったりしてしまいます。印刷物の冷却も行いません。印刷後はベッドの温度が室温になるまで待ちます。
ABS素材をきれいに印刷するための改造
ヒートベッドを設置します。RAMPS1.4コントロールボードを使用しているのであればヒートベッド用に12V端子が用意されています。MK2B(赤)でもMK3(黒)、どちらもデュアル電源仕様です。違いはヒーターのみか、3mm厚のアルミ板付きかです。ヒートベッドは12/24Vで使用できますので24Vのほうが温めのための時間が短縮できます。24Vでも4~5Aと大電流が流れますので配線は自動車の大型フォグランプ用の配線(SQ2.0あたり)を使用してください。
また、ヒートベッドの温度管理が重要ですのでヒートベッド周りを改造します。ヒートベッドの温度も100度と高いため温めに時間がかかります。ABS素材の場合、ヒートベッドの温度変化を嫌いますので保温材を底面に敷く、プリンター自体をケースで覆うなどの対策を行います。ケースと言ってもダンボール等で作成する簡易なもので十分でしょう。ヒーター底面に入れる保温材ですが、温度が100度以上ということは建材用の保温材ではちょっと不安です。そこで自動車やバイクのマフラー補修用の消音、断熱材を使用します。オートバックスで2000円位します(モノタロウならもう少し安いかな)がこれですと800度の熱にも耐えられるので安心して使用できます。これは効果的です。ヒートベッドの温度が安定してABS素材の出来上がりが綺麗になります。(特に底面の仕上がりが良いです)